債務整理ってなに?
利息については、だいたいおわかりになったでしょうか。
次に債務整理について説明させていただきます。さきほど、平成19年以前多くのクレジット・サラ金業者の利息は約29%の高金利と説明しました。そしてグレーゾーン金利はとることが許されなくなったとも説明しました。
平成19年以前からの借入がある場合、返済した分の高金利(約29%)すべてを利息制限法の利息、すなわち約18%に引きなおしてもらいます。そうすると約11%の利息を多く返済しすぎていたことになります。
これは、どうなるのでしょうか?
この多く返済しすぎていた利息は、今残っている借金に充当されるのです。
したがってクレジット・サラ金業者との取引が長ければ長いほど、借金に充当される金額が大きくなります。そうすると借金が半分になったり、借金がなくなっていたり、払いすぎ(過払い)となっていることもあるのです。
こうして借金を引きなおし、圧縮し、現在の借金がいくらなのかを計算します。
平成19年以降の借入がある場合、元金の分割返済になります。将来利息はつけません。 いままでは利息がついていたので、払っても払っても借金は減りませんでしたが、債務整理をすれば利息がつかないので、 払ったら、払った分、どんどん借金は、減っていくことになります。
債務整理のはじめ
借金が返済できなくなったら、まず、なにをするのか。金策に走り回るのか?
・・・・いえ違います。
まず、返済を止めるのです。返済をしない理由は二つあります。
一つ目の理由は、もう返済するお金がないからです。そして、二つ目の理由は債務整理をする場合、返済をしてしまうと借金の額がいつまでたっても確定することができず、借金の総額を正確につかむことができなくなってしまうからです。
ですから、返済を止めると同時に借入れもしないでください。そうして、支払いを止め、利息制限法に引きなおし、借金の総額を確定します。
取り立ては止められるのか
返済を止めると取り立てはきびしくならないのでしょうか?・・・・
貸金業法によると、債務者が、司法書士または弁護士に債務整理を委任する、または裁判上の手続きをとると、クレジット・サラ金業者は、正当な理由がないかぎり、債務者に直接、取立てをしてはいけないことになっています。
よって、これらの方法をとると取立ては止まります。
債務整理の種類
利息制限法に引きなおし、借金の総額がわかりましたら、債務整理の方法を検討します。おおきく分けると3種類です。
1.任意整理・・・ | 利息制限法に引きなおした借金を返済する手続き。 3年から5年の分割返済をします。将来の利息は原則つけません。 |
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2.個人再生・・・ | 一部返済する手続き。 100万円か借金総額の20%か全財産相当額を約3年で分割返済します。住宅ローンがある場合、住宅を手放さず債務整理をすることができます。 |
3.自己破産・・・ | 返済しない手続き。 20万円を超える財産(住宅等)は原則手放すことになります。 |
通常、返済する金額は、債務者の収入に応じて考えます。収入に対して支出はいくらなのか?少しでも返済することは可能なのか?返済はできないのか?
こうして、返済する方向から検討します。
やはり、借りたお金なので、できるだけ返済することを考えましょう。しかし、返済が困難な場合は、自己破産もやむをえません。
債務整理のながれ
当事務所が、債務整理事件を受任した場合のながれは以下のとおりです。
※受任 債務整理方針の確認 | ||
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借金の総額の調査 | ||
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利息制限法への引きなおし | ||
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借金の総額の確定 | ||
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債務整理方法の決定 | ||
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債務整理手続きの実施 | ||
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任意整理 | 個人再生 | 自己破産 |
※受注通知を発送します。
これにより取り立てはとまります。
債務整理は約4ヶ月から約半年の期間を要します。しかし、借金の返済は任意整理、個人再生の場合は、手続きが済むまで返済は始まりません。自己破産の場合はもう返済することはないのです。
債務整理のデメリット
債務整理の最大のデメリットは、借入れが約5年から約7年できなくなることでしょう。
しかし、借金返済で苦しんだ債務者は、もう借りられないほうがいいのかもしれません。これは、クレジット・サラ金業者等の信用情報機関に債務整理をしたことが、事故情報として登録されてしまうからなのです。いわゆるブラックリストです。
また、自己破産をした場合には、他に一定の資格制限があります。しかし、戸籍に記載されたり、選挙権がなくなるようなことはありません。
おわりに
借金問題をかかえる方の多くは、毎月毎月の支払いに追われ、借りては返すという、自転車操業の状態になっているようです。
今月はなんとかのりきった、そして今月の支払いが終わると、来月の支払いを考えると聴きます。返済が苦しくて自殺までをも考えたことがあるという人もいるようです。
もしかすると皆さんも、同じような状況ではないでしょうか?これは、財産状態が病気の状態なのです。財産状態が病気なのですから、一刻もはやく治療する必要があります。このまま放置していても治ることはありません。
したがって、司法書士、弁護士、他の相談機関等に早急に相談することをお勧めいたします。一刻も早く処置し手遅れにならないよう、早く行動に移してください。
当事務所では債務整理手続きの最善の提案をさせていただいております。